白ナンバー事業者におけるアルコールチェック検知器の使用義務化から、早くも2年が経過しました。
日々の業務の中で、アルコールチェックや点呼の運用は定着してきましたでしょうか?
当社では、多くの企業様に「アルコールチェック代行サービス」をご利用いただいております。
「代行サービス(人の声による確認)」を活用されている皆様は、まさに法令が求める「対面、または対面に準ずる方法」をしっかり実践されている先進的な企業様と言えます。
先日、当社にて改めて愛知県警・神奈川県警の担当部署へヒアリングを行いました。
その結果、「システム等で自動化・無人化したい」という世の中の流れに対し、警察の見解は依然として「人の判断が入らないものは認めない」という厳しいものであることが再確認できました。
つまり、皆様が現在実践されている「人と人との対話による確認」は、警察の見解とも合致した非常に確実で正しい運用なのです。
ただ、今回の警察への確認の中で、もう一つ重要なポイントが浮き彫りになりました。
それは、「点呼とは、アルコールチェックだけではない」という点です。
今の「正しいアルコールチェック」に、システムを一つ「プラス」することで、よりスムーズに、そして完璧に法令をクリアする方法をご紹介します。
目次
1. 「システムに記録するだけ」はNG? 警察本部に聞いた「自動点呼」のリアル
「うちはクラウド型のアルコール検知器を使っているから、測定してデータ送信すればOK」 もしそう運用している場合、法令違反になる可能性が高いです。
今回、当社が複数の警察本部(愛知県警・神奈川県警など)へ「白ナンバー事業者における自動点呼(無人点呼)の可否」について電話取材を行いました。
「データ送信だけ」では点呼とみなされない
神奈川県警の担当者は、カメラ付き検知器で動画や数値をクラウドに送るだけで、リアルタイムに通話等で確認を行わない運用について、「対面と同視できる方法にはならない」とはっきり回答しています 。 また、実際にそういった運用をしていた企業に対し、警察が立ち入り検査の際に「要件を満たしていない」と指導を行ったケースもあるとのことです 。
「異常がないから確認不要」は通用しない
愛知県警の担当者からも、「システムが『異常なし(アルコール反応なし)』と判定したとしても、安全運転管理者がドライバーの顔色や声の調子を確認し、最終的に『運転してよし』と指示を出さなければならない」との回答を得ました 。 つまり、機械任せにして管理者が確認を省略することは、現状の法令では認められていません。
「業務前」の自動点呼は、そもそも認められていない
緑ナンバー(運送業)では一部「自動点呼」が始まっていますが、これは国交省の認定を受けた機器に限られます。さらに警察担当者によると、「業務前の自動点呼」については国交省でも安全性の観点からまだ実用化に至っておらず、現時点では認められていないとのことです。
緑ナンバー(運送事業者)においても「業務前自動点呼」は現時点で実用化に至っていないため、白ナンバー事業者がこれを行った場合、法令で求められる「対面による確認と同視できる方法」とは認められません。
当社で電話取材した結果、直行直帰など対面が難しい場合でも、テレビ電話、あるいは電話(音声通話)などの「対話」を通じて、管理者が直接確認を行う必要があると回答がありました。
つまり、巷で言われる「完全自動化」は現状のリスクが高く、皆様が実施されている「電話や代行サービスを通じた人の確認」こそが、最もリスクの低い運用方法であると裏付けられました。
不安な方は管轄の警察署へお問い合わせください。
2. 【重要】「アルコールチェック代行」は「点呼のすべて」ではありません
ここで改めて、皆様にご利用いただいている「アルコールチェック代行サービス」の役割と、法令上の「点呼」の定義について整理をさせてください。
警察庁の通達や各県警への確認において、安全運転管理者が行うべき「点呼」とは、大きく分けて以下の2つの要素で構成されています 。
① 酒気帯びの有無・健康状態の確認(顔色、声の調子など)
② 日常点検(車両点検)の実施報告・確認(タイヤ、ライト、ブレーキ等の確認)
代行サービスが担うのは「酒気帯び確認」まで
現在ご利用いただいている「アルコールチェック代行」は、その名の通り、上記①の「酒気帯び確認」および「健康状態の確認」を、安全運転管理者の補助者としてプロフェッショナルに行うサービスです。
しかし、これは安全運転管理者の行うべき「点呼業務すべて」を代行するものではありません。
「日常点検」の確認はできていますか?
もし、「代行サービスに電話させているから、点呼業務はすべて完了している」と認識されている場合、上記②の「日常点検(車両点検)の確認」が抜け落ちてしまっている可能性があります。
本来、点呼の際には、ドライバーから「タイヤの空気圧は適正か」「ライトは切れていないか」といった日常点検の結果報告を受け、それを承認するプロセスが必須です。 電話口での代行サービスにおいて、毎日すべての点検項目を口頭で聞き取りを行うことは、通話時間の長時間化を招き、ドライバー様の業務効率を下げてしまう懸念もあります。
そのため、「酒気帯び確認」は代行サービス(通話)で確実に行い、「日常点検の確認」は効率よく別の方法と組み合わせる必要があるのです。
3. 「代行サービス」×「AI-Contact PLUS」で、もっと楽に、完璧に
そこでご提案したいのが、現在ご利用のアルコールチェック代行に、車両管理システム「AI-Contact PLUS(アイ・コンタクト プラス)」を組み合わせる「ハイブリッド運用」です。
「AI-Contact PLUS」を使えば、法令遵守をより盤石なものにする「日常点検」をスマホでスマートに解決できます。
① ドライバーはアプリでタップするだけ
乗車前にスマホアプリで「タイヤ」「ランプ」などの項目をチェック。そのデータは点呼記録簿に保存されます。
② 点呼(電話・代行)がスムーズに
点検結果はシステムで共有されるため、電話口では「アプリで点検結果を送りました」「はい、確認しました」の一言で、日常点検の確認業務が完了します。
③ 記録の一元管理
「アルコールチェックの結果」と「日常点検の記録」が同じシステムに残るため、万が一の監査の際も、完璧な点呼記録をすぐに提示できます。
「人の声による確実なチェック」はそのままに、「日常点検の手間」をシステムで解決する。 これが、法令を100%遵守しながら、現場の負担を最小限にする賢い選択です。
「うちはシステムを入れているから大丈夫」と思わず、そのシステムが「日常点検」までカバーできているか、「無人化」という名のリスクを負っていないか、今一度見直してみてはいかがでしょうか。
法令に則った確実な運用体制を構築したい方は、ぜひ「AI-Contact PLUS」をご検討ください。
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