アルコールチェック義務化Q&A【2】/弁護士から見た交通安全

2022年4月1日から道路交通法規則の改正で施行された「白ナンバー事業者のアルコールチェック義務化」について、全5回に渡って現役弁護士が解説してまいります。第4回は、前回ご好評いただきました、アルコールチェック義務化についてよくある質問の第2弾にお答えします。
※本記事は損保業界の動向・最新データを掲載する新日本保険新聞(損保版)2022年8月20号に掲載されたものの転載です。

ジェネクスト株式会社 取締役CLO
川崎武蔵小杉法律事務所
弁護士 橋本 信行

Q1.営業社員の契約者への直行、直帰は新型コロナ禍対応で増加しています。その際の今回の義務化対応の実務は?(対面で確認できない時の確認方法)

リモートによる対応になるかと思われます。自宅で,運転前に,映像及び通話によってアルコールが体内に入っていないかのチェックを(副)安全運転管理者との間で行い,この記録を残すことができる体制が整っていれば,義務化に対応できているといえます。
これは,極力,静止画ではなくビデオ通話によって確認し,検知器の使用の義務化に先立って,今から検知器を用いたチェックを行っていれば,まず問題はないといえます。
この方法であれば,直行,直帰のいずれの場合も義務化対応が可能です。

ところで,この場合に,安全運転管理者やアルコールチェックを行う(副)安全運転管理者や業務補助者が会社にいないということもあり得ます。しかし,普段点呼を行う場所に必ずしもどちらかがいなければならないというルールもありませんので,双方が在宅のまま的確にアルコールチェックを行う体制を整えられれば,ひとまず義務化に対応できているといえます。ただし,そうした業務でも,(副)安全運転管理者について労働時間として計上しなければ,労働法上の問題が生じかねない点には,注意が必要です。

Q2. アルコールチェッカーの点検記録を自動的にデータ化するツールはありますか?自動入力でないとしても毎日の点検データを日報とともにクラウド管理するツールはありますか?

やはり,アルコールチェック及び記録の作成,保持について,すべて人海戦術で乗り切ることは難しく,今回の改正を機に,そのようなニーズに応えたシステムも出てきているようです。労力を軽減できるだけでなく,正確性も担保できますので,導入をご検討されてはいかがでしょうか。

一例として,筆者が取締役を務めておりますジェネクスト株式会社は,運行管理システム「AI-Contactフリート」を提供しています。これは,完全無料で,白ナンバー事業者が法令に準拠した形で,アルコールチェックの記録をクラウド上で管理することができます。ご興味がある方は,ご検索またはジェネクスト社までお問い合わせください。

Q3.酒気帯び運転は呼気濃度が0.15mg以上でした。検知器で0.05mg程度の数値が出た際の対応方法は?

これは誤った解釈をしている方が非常に多い問題ですので,この機会に注意を差し上げたいと思います。
いわゆる酒気帯び運転に関する規定は,「何人も,酒気を帯びて運転してはならない。」(道路交通法65条1項)となっています。このとき,処罰する基準の値として,0.15mgという数値が出てきます。したがって,0.15mgというのは,あくまでも,この罰則の関係上で出てくる数字であるといえます。

しかし,呼気濃度が0.15mgに満たない人でも,泥酔しているということはありえます。その場合に運転すると,アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で運転していることになり,いわゆる酒酔い運転(117条の2第1項)にはあたることになります。そのように考えると,酒気帯び運転の0.15mgに至らないとしても,酒酔い運転の違反になる可能性があります。

また,呼気濃度の高低にかかわらず,会社は,酒気帯び運転となるおそれのある者に車両を提供してはならないという規定(道路交通法65条2項)にも違反する可能性があります。この場合,文言にあるとおり,「おそれ」があるだけで違反となります。
また,刑事上,民事上の過失の判断の際に,運転者が飲酒しており酒気を少しでも帯びていたという事実があると,それ自体で非常に不利に扱われることになります。
このように,飲酒の事実や程度の扱われ方には,適用される法律によって差があるということです。
以上から,結論としては,たとえば0.05mg程度の数値でも,酒気を帯びているのであれば,絶対に運転の指示を出してはいけません。

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