数字で見る!事故が多い人の特徴

事故が多い人と言えば、「自分を過信しがちな人」、「注意散漫な人」、「自己中心的な人」と以前紹介いたしましたが、毎年警察庁から発表される事故統計を見ると事故発生時に多発している違反が存在します。
事故が多発する違反をする人は事故リスクが高いと言えます。
今回は警察庁から発表された最新の交通事故発生状況(2024年版)を参考に事故が多い人の特徴を解説します。

1 事故件数が多い違反

交通事故発生状況を見ると交通事故で最も多い違反は安全運転義務違反となります。
安全運転義務違反とは運転操作不適や安全不確認、前方不注意、漫然運転など運転者が道路を走行する際に周囲の状況を把握して状況に合わせた安全な運転をしなければならない義務に違反した場合に適用されます。
基本的に事故が起きた際に必ず適用される違反になるため、最も件数が多くなっています。
安全運転義務違反以外の違反について、下記の表にまとめました。
安全運転義務違反以外の違反で交通事故が多い違反は上位から順に交差点安全進行、一時不停止、信号無視、歩行者妨害等、優先通行妨害などが挙げられます。
それぞれどのような違反か説明しますと、以下の通りとなります。

・交差点安全進行
正式には交差点安全進行義務違反となります。
交差点を通行する際に、他の車両や歩行者に注意して安全な速度や方法で進行しなければなりませんが、これを行わなかった場合に違反となります。
主に徐行せずに交差点を通行したり、合図せずに右左折を行うなどが挙げられます。

一時不停止
一時停止標識がある交差点に進入する前に一時停止しなければなりません。停止線がある場合は停止線直前、停止線がない場合は交差点の直前で一時停止(タイヤが完全に停止)しなかった場合に違反となります。

・信号無視
信号機が設置されている交差点で信号機の表示に従わずに交差点を通行する行為です。

・歩行者妨害等
交差点で横断歩道などを歩行者が通行している又は通行しようとしている場合に、車両はその直前で一時停止する義務があります。歩行者が横断している・横断しようとしている時に車両が通行してしまう行為を言います。
横断歩道が設置されていない交差点や交差点付近でも同様です。

・優先通行妨害
主に信号のない交差点で車両や歩行者が道路を通行する際には優先順位が存在しますが、その優先順位に従わずに通行した場合に違反となります。
例えば、交差点を通行する場合に直進車が優先、同じ幅員の道路が交わる交差点では左方から通行する車両が優先など。

2 それぞれの違反をしやすい人の特徴

上記の事故件数が多い違反をしやすい人はどのような人でしょうか?

・交差点安全進行
安全確認をしないまたは安全確認が短い人が起こしやすい違反です。また、周囲の状況より自分の通行を優先したい人もこの違反をしやすい傾向にあります。
死亡事故につながりやすい違反でもあるので、周囲に横断しようとしている歩行者がいないか、自分より優先通行の車両がいないかをしっかり確認しましょう。

・一時不停止
まず、一時停止とはタイヤが完全に静止している状態を指します。一時停止を違反する方のほとんどがタイヤが完全に静止せずゆっくり進んでる状態のまま安全確認を行っています。
一時停止規制のある交差点では、停止線の直前でまず完全停止して左右確認をしましょう。
この時、右を見て左を見て、また右を見る動作でそれぞれ1秒ずつ要し、安全確認に3秒程度かかります。安全確認中は完全停止を心がけましょう。

・信号無視
信号無視をしやすいのは、法律を軽視している人、黄色を青と同義と思っているなど誤った知識を持っている人、危険予測力が低下している人、時間に追われている人などが挙げられます。
違反すると死亡事故に繋がりやすいため、自分の通行する道路と交差する道路を通行する車両も存在していることを忘れずに、前方の信号の黄色及び赤色灯火を視認したら停止するようにしましょう。

・歩行者妨害等
法律を軽視している人、自己中心的な人、時間に追われている人が違反しやすい傾向にあります。横断歩道は歩行者優先ですので、横断歩道を通過する前に横断中や横断しようとしている歩行者がいないか確認が必要です。

・優先通行妨害
交差点通行の優先順位について誤った知識を持っている人、自己中心的な人などが違反しやすい傾向にあります。
交差する道路が同じ幅員の場合は左方から進行する車両が優先になります。

3 事故が多い人の特徴

では、どのような人が事故を起こしやすいのでしょうか?2024年の交通事故発生状況の年齢層別の事故件数の割合を見ると以下のようになっています。
10代~20代が免許保有者10万人あたりの事故件数が多く、全体の約4割となっています。
高齢の年齢層より免許を取得して日が浅い若年層の方が事故発生の割合は高くなっており、新入社員に事故が多い理由はそもそも若年層に事故が多いからと言えます。
高齢者に事故が多いと日々報道されますが、高齢者を60代、70代、80代以上とそれぞれ分類した場合、60代が8.6%、70代が10.1%、80代以上が13%と20代の13.9%をそれぞれ下回っています。
若年層に事故が多い理由としては、運転経験が浅いため運転に慣れていないことが挙げられます。運転技能や安全確認能力が不足していたり、若者特有の無謀さにより事故頻度が高いと言われています。
また、事故発生時に最も多い違反は安全運転義務違反であることから、安全確認不足や脇見、前方不注意なども多い傾向にあり、運転技術以前に運転に対する意識から改善・教育が重要になると考えられます。

4 事故が多い人の教育方法

事故が多い人と言っても、運転経験が長い人に短い人と同じ指導をしても効果が出ない場合もあるため、特徴別に教育方法を解説します。

① 若年層に対する教育方法
運転経験が短く、技術不足な人に対しては技術や知識を補完する教育が効果的です。
危険予知トレーニングの映像を観て、何が危険かを一緒に考えたり、運転する時は同乗するなど一緒に経験することが大切です。
また、交通ルールの知識についてもきちんと補完してあげましょう。

② 運転経験が長い人への教育方法
運転経験が長く、事故や違反が多い人は心理的な原因により事故や違反をしている可能性があるため、心理特性に合わせた教育が効果的です。
主に客観的なフィードバックや具体的な事例を提示しながら、自身の運転を振り返り自己反省を促すことが有効です。

また、両者に共通する効果的な教育方法はAI-Contactで運転記録を振り返ることです。
AI-Contactはスマートフォンで運転を記録し、交通違反の有無を可視化するアプリです。
いつどこで交通違反をしたか客観的に確認できます。また、期間ごとの運転を点数化でき、遵守率が表示されます。遵守率が特に低い項目を重点的に教育することも可能です。

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