一時停止をしっかりと止まるだけで○○万円のコスト削減!?道交法を守って運転するべき3つの理由

社用車を所有する企業様にとって大きな負担となっているのが、「自動車保険料」です。
本記事では自動車保険料を削減したい企業様にとって、従業員の皆様に道交法を守って運転していただくことがコストカットの観点から重要であることを整理いたします。

1.自動車保険の仕組み

会社の車の保険の契約には、大きく分けて2種類あります。

ノンフリート契約:1~9台を所有している場合はこちらの契約になります。保険料は車両1台単位のノンフリート等級により割引/割増率が異なります。

フリート契約10台以上所有している場合はこちらの契約になります。保険料は車両1台単位ではなく、契約名義単位で割引/割増率が異なります。

1-1.フリート契約の保険料はどのように決まる?

企業の場合は車両を10台以上所有していることが多いため、多くの企業がフリート契約者になります。
そこで気になるのが大きなコストになる可能性がある保険料。保険料は、「損害率、総付保台数、前年度のフリート契約の割引・割増」によって決まりますが、ここで重要なのは「損害率」です。

損害率は「成績計算期間に支払われた保険金(+未払保険金)と割引適用前の保険料の割合」によって決まります。

つまり、事故によって支払われた保険金が少なければ少ないほど、翌年度の保険料の負担は小さくなるという仕組みです。

1-2.フリート契約はたった1台の重大事故で保険料が跳ね上がる可能性がある!?

フリート契約の大きな特徴は、保険料が車両1台単位ではなく、契約名義単位であるという点です。
つまり、たった1台の重大事故によって、全体の保険料が大幅に割増につながってしまう可能性があるということです。
そのため、フリート契約者の企業が保険料を削減するためには企業全体で事故対策を普段からしておく必要があるということになります。

2.過失割合について

では損害率を下げる、すなわち支払保険金の額を小さくするにはどうしたらいいでしょうか。
「事故を1件も起こさなければ保険金が支払われない」。もちろんその通りなのですが、実際にはこちら側の過失が少ないいわゆる「もらい事故」などが発生する可能性もありますので、交通事故の過失割合についても知っておく必要があります。

2-1.交通事故の過失割合について

交通事故の過失割合とは、発生した交通事故に対する責任の割合のことです。

例えば、四輪車同士が事故を起こしたときに生じた損害額(搭乗者の治療費・車両の修繕費など)が合計1,000万円のとき、
車両A:車両Bの過失割合が30:70の場合、車両A側が負担する金額は300万円・車両B側が負担する金額は700万円となります。

2-2.過失割合は誰がどのように決める?

当事者双方に過失のある事故の場合、通常は当事者が契約している保険会社が話し合い、過失割合を決定します。
過失割合の基準となるのは、過去の裁判例です。
実際の事故と類似した過去の裁判例を基準として、実際の事故状況に応じて割合を修正しながら決定していきます。

2-3.過失割合算出の流れ

過失割合は基本過失割合をもとに修正要素による過失修正がなされて最終的に決定されます。

基本過失:過去の裁判例や法改正の動向・傾向を分析し、事故の類型・形態ごとに基本となる過失割合を示したものです。

修正要素:具体的な事故状況を考慮して、主に道交法違反があった場合にその要素に応じて基本過失が修正されます。

<基本過失>【例.信号機のない交差点で、直進車Aと対向右折車Bが衝突した場合】
→直進車Aと対向右折車Bの基本過失割合は20:80となります。

※「別冊判例タイムズ第三十八号(2014年)」P237を参考に著者作成

<修正要素>【例.上記の事故で直進車Aが30km以上の速度違反をしていた場合】
→直進車Aと対抗右折車Bの基本過失割合は20:80でしたが、直進車Aが30km以上の速度超過をしていた場合は直進車Aに過失が+20されます。
したがって、修正要素を加えた直進車A:対抗右折車Bの最終的な過失割合は40:60となります。

※「別冊判例タイムズ第三十八号(2014年)」P237を参考に著者作成

3.「道交法遵守」でコストが削減できる3つの理由

ここまでお読みいただいた方にはなんとなくお分かりいただけたかもしれませんが、普段から道交法を遵守した運転をすることで、
事故発生時における金額的負担を大きくさげることができます。
次項から詳しく解説いたします。

3-1.事故件数が減る

交通違反と事故の発生件数には大きな相関関係があります。
既に多くの先行研究で指摘されておりますが、交通違反の取締りを強化すると事故の発生件数が減少することが分かっております。
事故が起きなければそもそも支払保険金はありませんので、コスト削減につながると言えます。

〇参考:交通事故の発生原因とは?交通事故鑑定人が考える交通事故と交通違反の関係について
該当の記事へ

3-2.事故が起きたとしても過失が取られない

次に本記事でご説明してきた過失割合についてです。
仮に事故が起きてしまったとしても、道交法を守った運転をしていた場合には「修正要素」で過失割合が有利になり、金額の負担が減ることになります。
下記は一例です。

■信号機により交通整理の行われていない交差点において、右折車に一時停止の規制がある場合の四輪車同士の事故のケース

<基本過失>直進車A:右折車Bの基本過失割合は15:85になります。

※「別冊判例タイムズ第三十八号(2014年)」P248を参考に著者作成

<修正要素>右折車Bが一時停止線で停止していた場合は右折車Bが有利になるよう-15の過失修正が行われるため、直進車A:右折車Bの最終的な過失割合は30:70になります。

※「別冊判例タイムズ第三十八号(2014年)」P248を参考に著者作成

■上記のケースで損害額の合計が1,000万円のとき・・・

<一時停止を守っていなかった場合>右折車両Bの金額負担は850万円になります。

<一時停止をきちんと止まっていた場合>右折車両Bの金額負担は700万円になります。

■つまり・・・
一時停止をきちんと止まるだけで、150万円の金額負担が減ることになります!

3-3.事故の損害額が小さくなる

これは主に速度超過がカギとなるのですが、法定速度を守った運転は事故の損害そのものが小さくなります。
交通事故による被害は車が衝突したときの衝撃力に大きく関係します。速度が増すほど事故の衝撃力は大きくなり、またブレーキが利き始めてから停止するまでに走行する制動距離も速度の2乗に比例して大きくなります。
速度超過をしていると車両の損傷も大きくなりますし、法定速度を守った上での事故と比較して死亡率が約12倍になるという統計データもあります。
死亡事故が発生した場合の損害額は億単位になります。
〇参考:認定総損害額の最高は男性41歳:5億2,853万円(2011年)

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。
下記は法令を守った運転をすることによるコストメリットのまとめです。

普段から道交法を遵守した運転をすることで、事故が発生した際の負担額を大きく削減できることがお分かりいただけたかと思います。

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【執筆者】
ジェネクスト株式会社 取締役COO
山地瞭

 

 

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