【知らないと危険】2026年7月法改正で社用車の速度超過リスクが急増!企業を守るための対策とは?

2026年7月21日に道路交通法が改正されたのをご存じでしょうか?
「危険運転致死傷罪」の要件を明確化させるため自動車運転死傷処罰法に数値基準を導入したため、道路交通法もそれに合わせて改正されました。
今回は、改正された関連法について要件などを解説いたします。

1.今回の法改正で変更された点

今回の自動車運転死傷処罰法(危険運転致死傷罪)の法改正で変更されたのは主に下記の3つです。

① 高速度運転が新たに危険運転致死傷罪の対象になった
高速度の基準は、最高速度が時速60キロ以下の道路では「+50km/h超」、60km/hを超える道路では「+60km/h超」となり、最高速度が50km/hの一般道では100km/hを超える速度、100km/hの高速道路では160km/hを超える速度で死傷事故を起こすと対象になります。
9月からは日常生活で使う「生活道路」の最高速度が、60km/hから30km/hに引き下げられるため、生活道路は80km/h超で適用される可能性があります。

② アルコールの影響による危険運転の基準値が新設された
アルコールの基準は、呼気1ℓあたりのアルコール濃度「0.5mg以上」と明確化されました。
基準値を下回っていても、アルコールの影響で正常な運転が困難な状態と判断されれば対象となり得ます。

③ ドリフト走行などが新たに危険運転致死傷罪の対象になった
タイヤを滑らせたりする「ドリフト走行」をして死傷事故を起こした場合も同罪の対象になりました。

上記の変更に伴い、以下の道路交通法も変更となります。

・酒気帯び運転(第117条の2、第117条の2の2)のアルコール濃度基準を「政令」から「法律本文」に明記(血中1.0mg/㎖以上、呼気0.5mg/ℓ以上など)

なお、「政令」とは内閣が制定する命令のことです。
日本の法体系は大きく分けて「法律」→「政令」→「省令」という階層構造になっています。

法律:国会が制定する(国民の代表である国会議員が審議・可決)

政令:法律の委任を受けて、内閣(閣議決定)が制定する

省令:各省庁の大臣が制定する、さらに細かい実務的なルール

法律に全ての細かい数値や基準まで書き込むと、社会情勢の変化に応じた改定のたびに国会での審議・可決が必要になり、機動的な対応が難しくなります。そのため、法律では大枠を定め、具体的な数値基準などの技術的・専門的な部分は政令に委任するという形がよく取られます。

今回の改正では、これまでの「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」という抽象的な定性基準に加え、「呼気1ℓあたり0.5mg以上」という明確な数値基準が「法律本文」に直接明記される形となりました。

2.今回の法改正で企業が気をつけなければならないこと

① 速度管理について
制限速度を大幅に超える運転(+50km/h以上または+60km/h以上)が新たに危険運転致死傷罪の対象になったため、ドライバーが事故を起こした場合、従来より重い刑事責任に問われるリスクが生まれました。
よって、以前より速度管理の重要性が高まっています。

また、配送業務や往訪などで「時間に追われて速度超過」が常態化している場合、ドライバー個人の刑事リスクが高まるだけでなく、企業としての安全管理義務・使用者責任も問われやすくなる可能性もあります。

② ドリフト走行・急な車両制御を伴う運転
一般的な業務用車両ではあまり想定されませんが、若手ドライバーの運転指導や社内研修の内容の見直し(無理な走行をさせない、危険な運転をさせない)は念のため確認しておくとよいでしょう。

③ アルコールチェック体制
道路交通法上の酒気帯び運転の基準値(呼気0.15mg/L以上)自体に変更はないため、正しく行っている既存のアルコールチェック体制を変える必要はありません。
ただし、法律本文に基準が明記されたことで、社会的な注目度が上がり、厳格な運用が求められる可能性はあるため、既存のアルコールチェックの運用が形骸化していないか確認が必要です。

➃ 就業規則・社内規定の見直し
「危険運転」に該当しうる行為(速度超過・無理な運転操作など)を、懲戒事由や安全運転規定に明記している企業は、新しい類型(高速度運転、ドリフト走行など)を踏まえて規定を見直す必要があります。

3.まとめ

今回の法改正で、社用車や配送車両の速度超過はドライバー個人の刑事リスクがより重くなる可能性があります。
アルコールチェック体制自体は基準値は同じであるため変更は不要ですが、ドライバー個人のリスクが高くなったことを周知・教育する必要はございます。
安全運転管理・社内研修・就業規則などの再確認を行いましょう。
また、社用車の速度超過の有無や程度はAI-Contactで可視化できます。
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