SDGsと新型コロナウイルスとの関係から紐解く、交通事故の原因と削減方法

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、SDGsジャパンは新型コロナウイルス感染症に対する声明を発表しています。
SDGsと新型コロナウイルスの関係を踏まえて、業務上の交通事故削減について企業は何ができるのでしょうか

1.SDGsとは

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月の国連サミットで採択された国連加盟193か国の2016年から2030年までの15年間で達成するために掲げた目標になります。
「だれ一人取り残すことなく、貧困のない持続可能な社会へ、この世界を変革する」、これはSDGsの根底にある理念です。
外務省によると下記の大きな17の目標があります(画像出典:外務省)。

2.SDGsと新型コロナウイルスの関係

冒頭でも触れましたが、SDGsジャパンは新型コロナウイルス感染症に対する声明を発表しています。世界各国で感染拡大を防ぐため「社会的距離戦略」による一時的な隔離と遮断を緊急対策として打ち立てています。ですが、この「社会的距離戦略」によって様々な影響が出ることを懸念して、SDGsの理念に基づいてSDGsジャパンは3つの確認をしています。

① 未来時代を含めた「誰一人取り残さない」経済的・社会的包摂の為の施策の導入を。
ゴール1(貧困)、3(健康)、4(教育)、5(ジェンダー)、8(持続的成長と雇用)、10(格差)、11(持続可能な人間住居)

② 隔てられた物理的距離を繋ぐ連携と包摂を。
ゴール16(参画)、17(パートナーシップ)

③ 透明性と公開性を担保し、民主主義と法的順守をした政策形成と対応を。
ゴール16(ガバナンス)

それ以外にも新型コロナウイルスによる外出自粛のため、世界各国の道路の交通量が減り、交通事故件数は減少しているものの、速度が出しやすい環境であるために重大な交通事故が増加している地域も存在します。SDGsの3.6には2020年までに世界の道路交通事故による死傷者を半減させるとあり、新型コロナウイルスと道路交通も関係があると言えます。

・外出自粛による交通量の減少と重大事故増加

現在、日本のみならず海外でも外出自粛傾向にあります。外出自粛の効果として交通量が減り、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、イギリス、フランスなどでは交通事故数、交通事故死者数が大幅に減少しているとの各国の報告もありました。
新型コロナウイルス感染症対策が結果として交通事故の削減に繋がったのです。
しかし、一部の地域では交通事故による死者が増加しています。
アメリカのミズーリ州警察によると、交通量47%減に対し、交通事故死者数は3%増加。道路が空いているため、多くのドライバーがスピードを出して事故になってしまうからというのが州警察の見解でした。
日本も、交通量が減り交通事故数も減少、それに伴い交通事故死者数も減少傾向にありますが、アメリカのミズーリ州同様の速度超過による交通事故、交通量の減少から歩行者が道路に飛び出し、交通事故となるケースが増加していると警視庁も発表しています。

3.交通事故を減らすためには?

3-1.Gセンサーの活用

一般的な安全運転支援サービスにはテレマティクスなどのGセンサーを活用しています。
Gセンサーは急加速・急停止・急ハンドル・衝撃に反応し、テレマティクスドライブレコーダーはGセンサーが反応した場面の映像を管理者に飛ばし、その中のヒヤリハットや事故の映像を活用して事故の削減に取り組むものがほとんどです。
しかし、交通量が減っている現在でも交通事故は発生しており、その原因は「速度超過」「歩行者の飛び出し」です。この2つはGセンサーで感知したころには重大な事故となっています。「速度超過」「歩行者の飛び出し」による事故を未然に防ぐには、どんなに交通量が少なくても法定速度を遵守し、安全確認を十分に行うこと、道路交通法を遵守することが重要となります。「歩行者の飛び出し」については歩行者も横断歩道を横断するなど必要ですが、車対人の事故となる場合、車の責任が重くなる場合がほとんどです。

3-2.道路交通法違反が減ると交通事故数は減少する

警察庁の資料にも取締り件数の増加によって交通事故数、交通事故死亡者数が減少することが記されています(参考:警察庁「交通取締りが交通事故減少に与える効果に関する研究」)。

警察が取り締まるのは「道路交通法違反」なので、この結果から道路交通法違反が減少すれば交通事故件数は減少します。

交通違反が増えると交通事故が増えるという関係について、下記の記事により詳細に説明していますのでよろしければご参照ください。
【過去記事】交通事故の発生原因とは?交通事故鑑定人が考える交通事故と交通違反の関係について

4.道路交通法の重要性

4-1.交通事故による過失割合の算定方法

過失割合とは事故当事者同士の責任の割合のことです。よく「4:6」「7:3」などと表現されます。この過失割合、道路交通法違反の重大さによって左右されます。
そのため、交通安全教育に必要なのは交通事故を起こさないために道路交通法を遵守することではないでしょうか?

4-2.交通違反が可視化できる?

企業の交通安全に役立つ様々なサービスが存在しますが、交通違反を可視化できるサービスは非常に少ないです。
中でも、「AI-Contact」が交通違反の可視化に特化しています。


交通違反のみならず、道路交通法遵守率、社内や組織内の違反傾向、どの道路でどのような違反があったのかなど確認することができます。

【クラウド運転管理サービス「AI-Contact」に関する情報はこちら】

新型コロナウイルス対策で在宅勤務やテレワークが続きます。交通量が減ったからと言って法定速度を大幅に超えて走行することは非常に危険で、重大な交通事故を招きかねません。
また、緊急事態宣言が解除されても、交通量が少ないときと同様に運転をしていれば、さらに交通事故リスクが増加します。
社員の事故リスクを減らすために、出社していてもしていなくても道路交通法遵守を徹底しましょう。

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