【inswatch12月号掲載】当社粕谷智による「事業化のヒント」シリーズ(7)

当社道交法遵守促進アプリ「AI-Contact(アイ・コンタクト)」推進顧問である粕谷智による「事業化のヒント」シリーズ第7弾。
一般社団法人日本損害保険代理業協会アドバイザーも務める幅広い人脈と情報ネットワークを持つ保険業界のディレクターが、事業創成についてAI-Contactを題材にお伝えします。
※本記事は保険業界や保険代理店向けに特化したメディア「inswatch」2021年12月号に掲載されたものの転載です。

AI-Contact推進顧問 粕谷智

「ベンチャー企業経営者の熱い想い」

前回までは新しい事業の誕生と特約店となられた保険代理店さんとの関係性のテーマで進めてきました。本コラムは「事業化のヒント」がメインテーマですので、ここで2018年に事業を立ち上げたジェネクスト社の現在の活動の一端をご紹介します。

新たな事業を立ち上げていくには相当の資金が必要となります。歴史を重ねた地域密着の中小企業であれば、リレーションシップを標榜している地域金融機関との関係も深く融資という形での資金調達が可能なはずです。
当然、融資には様々な審査項目がありますが、最近では「事業性評価」という括りで、物的担保よりも今後の事業計画の実現性や収益性が担保されているのか、経営者の熱い想いが空回りではないのかなどが重視されているのではないかと思います。

保険代理店経営においては、私が10年間の経営相談をしている中では、設備資金以外で金融機関から資金調達をしているケースはあまりなかったと記憶しています。
保険代理店は仕入・在庫管理・売掛金管理・返済計画などがある製造業とは違いシンプルではありますが、仮に新事業を立ち上げる時には同じような課題に直面するはずです。
したがって、自社の損益計算書、貸借対照表やキャッシュフロー計算書などの財務諸表をしっかりと読み込めるスキルも経営陣には必要となってきます。
保険代理店さんであれば、既契約者から新種保険の引き受け等で決算書等を閲覧・受領することができますので、異業種の決算書から学ぶことはたくさんあるはずです。

しかしながら、保険契約を行う際には、保険料計算の基礎として社員数と売上金額を確認して、必要書類に転記・添付しても可という事務処理もあることを現役時代に経験をしました。
生命保険プランナーがうらやましがるのは、損保代理店さんは契約行為の一環として「決算書をお預かりすることができる仕組み」だとお聞きすることがありました。
まさに「決算書は宝物」という意味合いだと思います。ビジネス書では「決算書を読む力」「決算書○○〇本ノック」などというタイトルの書籍を目にします。

経営者自身は自社の決算書を読めるのは当たり前かなと思っていましたら、とある経営シンクタンクの方から「実は中小企業経営者で決算書をしっかりと読めて分析できる方は少ないので、そのカテゴリーの研修も多いのですよ」と教えていただきました。

では、これから上場までを目指していこうとする経営者は、どうでしょうか?商品やサービスの開発計画やマーケティング、販路確保などを行いながら、常に頭の中には資金調達計画や投資計画、人員強化対策などが24時間365日頭の中をぐるぐると回っているのではないでしょうか。

2022年4月からは東京証券取引所(東証)の現在の市場区分である第一部・第二部・マザーズ・JASDAQ(スタンダード・グロース)が「プライム
市場・スタンダード市場・グロース市場」の3区分になります。
グロース市場の上場基準を確認すると「事業計画」「流動性」「ガバナンス」の3項目が列記され、項目ごとに考え方や狙いが明記されどのような要件を満たす必要があるかが概要で示されています。

ここにも事業化のヒントがありそうです。

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