【inswatch8月号掲載】当社粕谷智による「事業化のヒント」シリーズ(3)

当社道交法遵守促進アプリ「AI-Contact(アイ・コンタクト)」推進顧問である粕谷智による「事業化のヒント」シリーズ第3弾。
一般社団法人日本損害保険代理業協会アドバイザーも務める幅広い人脈と情報ネットワークを持つ保険業界のディレクターが、事業創成についてAI-Contactを題材にお伝えします。
※本記事は保険業界や保険代理店向けに特化したメディア「inswatch」2021年8月号に掲載されたものの転載です。

AI-Contact推進顧問 粕谷智

「事業化のヒント」~起業の意識について~

損保代理店さんが「AI-Contact」を提案する全国のネットワークが形成できたら、自分自身が一保険会社から業界に飛び出した想いが少しでも形になるのではと考えました。今回は特約店制度をどのようなきっかけで構築したかについてお話しします。

前回のコラムの中では日本の開業率の低さをお伝えしましたが、その要因の一つとして起業の意識について欧米との差があると分析されています。最近は大手企業で副業解禁が始まってきているので、徐々ですが「起業の価値」が評価されてくるのだと思います。

日本はその昔、モノづくり大国として世界に名を轟かせていましたが、今や日本の技術が海外に流出したり、中小企業の後継者不足で休廃業が進んできたりと悪い話ばかりが耳に入ってきます。しかしながら京都では伝統工芸品や和菓子など数百年の歴史を脈々と受け継いでもいます。以前、京都で地元の経営者の方々の話を聞く機会が幾度かありましたが、共通していたのは「京都には伝統を守るという気持ちと同時に、時代に合わせて製品などを革新している攻めの気持ちがある」ということでした。つい最近、有楽町に近い銀座の片隅で、京都の老舗の金平糖店に入った時にも、この守りと攻めの気持ちがこもった商品が並んでいました。昔ながらの金平糖が季節のフルーツの天然な味付けになったり、星屑のような小さな形や大粒で歯ごたえのある形になったりと様々な種類の商品がショーケース内に並んでいました。

さらに普通のお菓子屋さんで売っている金平糖とは違う販売の工夫は、新商品の良さや価値を伝えるためのパッケージでした。小さな桐箱であったり、宝石を保管するような網ケースであったり。新しい商品やサービスを産み出すだけであれば、起業の意識が強ければできるかもしれませんが、事業を継続していくためには販売の工夫やルートの確保が極めて大事だと思います。

AI-Contactに込めた開発者のメッセージは、社会から交通事故を削減し、悲しむ人を無くすというものです。昔からの「無事故の願い」が新しい技術を活用した商品に形を変えましたが、どのようにして多くの企業に伝えていけば良いのか。保険代理店さんが自社の法人顧客や地域の企業に様々な情報提供していく役割を担っている中で、このアプリサービスの情報提供・メッセンジャー役として構築できれば、先行投資の勇気を持った起業家の夢の実現に向けた大きな原動力になると感じ、関係団体などと協議を進めていきました。

5月から7月末にかけて20回ほどのオンラインでの特約店説明会を開催し、現時点では全国約90社の特約店が誕生しました。これからの日本に必要なのは起業の意識だけでなく、その熱い想いを伝えていくサポートも必要なはずです。

業種や世代を超えたアライアンスが必要だと感じた3ヶ月間でした。

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